ポジショントークは信用されない!日本テレビ大久保好男社長の電波オークションへの反対について考えてみました

2017年11月27日の毎日新聞に電波オークションについての記事が掲載されました。
読んだところ、短い記事ではありますが、日テレ社長の意見に思うところがあったので備忘録としてブログを書いています。

記事の内容は以下の通りです。

日本テレビの大久保好男社長は27日の定例記者会見で、政府の規制改革推進会議で議論している、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける「電波オークション」について、「応札金額の多寡で事業者を決める考え方が必要なのかどうか。最終的にどういう提言になるか分からないが、一般論としては反対だ」とけん制した。

反対の理由として「具体的ニーズや対象帯域が明確になっていない」と述べた上で、「(外資規制ができないという)安全保障上の問題も出てくる」と強調した。この問題を巡っては、日本民間放送連盟の井上弘会長(TBSテレビ名誉会長)が17日の会見で「我々は多かれ少なかれ公共性を伴う業務をやっており、心配がつきまとうオークション制度には反対したい」と表明していた。(引用:毎日新聞)

電波オークションの議論においてはよくありそうな内容ですが、この発言のどこが問題なのでしょうか。

「主張」はあるが「論拠」がない

まず、本件の主張は「電波オークションに反対である」と極めて明確です。

一方、その主張を支える「論拠」(=事実+根拠)はあるのでしょうか?

ここでの論拠に当たりそうなのは、この2点です。

「具体的ニーズや対象帯域が明確になっていない」

「(外資規制ができないという)安全保障上の問題も出てくる」

しかし、上記2点は主張を支える論拠として成立していません。

個別に詳しく見ていきましょう。

「具体的ニーズや対象帯域が明確になっていない」は論拠となるか?

「具体的ニーズや対象帯域が明確になっていない」というのは、データ(事実)に当たりますが、これがそのまま主張への裏付けとはなりません。

なぜなら、裏を返せば「具体的ニーズや対象帯域が明確になったら電波オークションに賛成する」と言っているようなものだからです。

一般的に、法制化の際にはニーズのリサーチや対象帯域の明確化は当然のように行われるのですから、これは論理的に悪手と言えます。

「(外資規制ができないという)安全保障上の問題も出てくる」は論拠となるか?

こちらも同様の理由で問題があります。

「外資規制ができない」と言いますが、現在の放送法でも外資規制はされており、法的に外資規制を入れることは問題ないでしょう。
また、現時点でも電波オークション導入の際には外資規制をセットで入れるべきとの意見も出ています。

例えば、「じゃあ、外資規制をしっかり入れれば電波オークションに賛成なんですね?」と問われるとそれで主張が崩れてしまいます。

どういうロジックが必要なのか

説得力のある論理を展開するには、客観的な「データ」と「根拠」を組み合わせて「論拠」として提示しなければなりません。

例えば、

「他国で電波オークションを実施した国を調べると、○○ような問題が発生している」という資料(データ)を示し、「日本で○○の問題を解決することは難しい」というレポート(根拠)を示す

他国での失敗例を列挙(データ)し、同じ先進国である日本でも同様の事が起こりうるという識者の予測(根拠)を示す

日本テレビをはじめとする現行の放送局が国民のためになる放送を行っているというアンケート結果を提示し(データ)、現状、それ以外の放送局では品質の高い放送は不可能であるという識者の声(根拠)を示す

といった方法が考えられます。

まとめ – ポジショントークは信頼されない

短文の記事なので前後の文脈がわからないとはいえ、もし本当に冒頭の記事のような論理展開であったとすれば、それは「日テレ社長」としてのポジショントークとしかとられないでしょう。
(既得権益の電波を他者に取られたり、ライバルが増えることを嫌がるのは当然です)

ポジショントークばかりの人は結論ありきで話すので、「つまらない」「薄っぺらい」と思われがちです。

意識して論理的な思考を行う事で、面白く信頼される人を目指しましょう!