多くの場合まずは「なぜ(Why)?」が大事!
何かアイデアを出したいとき、自分の考えを整理したいとき、なかなかうまく思考できないという悩みを相談されることがあります。
私自身も元々あまりとっさに良い意見を出すのが得意な方ではなかったので、書籍やセミナーで研究し、色々な方法を実践してきました。
その結果辿り着いたのが、
まず「なぜ(Why)?」を明確にする
というシンプルな方法でした。

考えがまとまる前の状態でよくありがちなのは、自信のない状態でのアウトプットを恐れることで、スムーズな発想や思考整理にブレーキをかけてしまう事です。
最初から答えを出そうとするのではなく、そこで、まずは「なぜ?」をなげかけるテーマを明確に設定すること。
なぜ?への回答を出したら、それに対してさらに「なぜ?」と問いかけていきます。
この方法は、トヨタの「なぜなぜ分析」に近いやり方です。
実際に使ってみよう

もしあなたが運送会社の経営者で、事故が多い事に悩んでおり、それをテーマにするとします。
その場合、以下のように展開していきます。
【テーマ】本年度に入ってから車での事故が多い
↓なぜ?
【なぜへの回答1】前年度と比べて現場への教育が徹底されていないからではないか
↓なぜ?
【なぜへの回答2】現場責任者による現場作業員に指導力が落ちている
↓なぜ?
【なぜへの回答3】主任Aが現場責任者に対して軽く見る態度をしており、これに他の作業員が影響されている
↓なぜ?
【なぜへの回答4】Aはもともとそういう気質があり、特にマネジメントが必要な人物であった
解決策1→「現場責任者と相談のうえ、Aへの指導をしっかり行っていこう」
いかがでしょうか。「なぜ」という問いかけを連続して行う事で、筋道の通った考えが出来るようになりました。
しかし!
上記を見ると、何となく解決策が見えたような気になりますが、このままでは解決策の「決め打ち」となってしまう可能性が高くなるので注意が必要です。
そこで・・・
なぜ?の思考ラインは複数あってよい

「なぜ」を掘り進める方法は論理性を高める有効な手段ですが、1ラインでは単純過ぎるのです。
特に1階層目(上記の例では「前年度と比べて現場への教育が徹底されていないからではないか」の部分)によってその後の思考が大きく左右されるので、多角的な視点をあえて入れる必要があるわけです。
例えば、事故が多いのは、会社でスマホゲームが流行っており、作業員が隠れてスマホのながら運転をしていた可能性もありますので、1階層目の可能性はなるべく多く書き出してみることが大切です。
また、前年度がたまたま事故が少なかっただけで、本年度が特に事故が多かったわけではないとわかれば、テーマ設定が間違っていたことになりますので、その場合は「なぜ長年事故防止に取り組んでいるのに事故率を減らせないのか?」というテーマになっていくでしょう。
解決策「それでは(So)?」をプラスする

「なぜ?」のラインを複数作っていくことで、問題の本質が明確に見えてきたのではないでしょうか。
ここでやっと「解決策」を考えるステージに立ったと言えます。
多角的に問題にアプローチすると、論理性が飛躍的に高まります。
この状態で「それではどうするのか(So)?」を問いかける事で、単なる思い付きではない、思考の基礎がしっかりとした対策を提案することができるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
「なぜ?」を徹底的に、複数ラインで考える事で、難しいメソッドなしでも論理的に物事にアプローチできることがイメージいただけたかと思います。
是非、身近な問題から試しに取り組んでみてください!