9つの質問で発想力を高める「オズボーンのチェックリスト」

オズボーンのチェックリストとは、ブレーンストーミングの考案者であるアレックス・F・オズボーン(Alexander Faickney Osborn)が作成した、代表的なチェックリスト型発想法です。
オズボーン

チェックリスト型発想法とは、課題に対してチェックリストの質問を投げかけることで発想を促進し、9つの多角的な視点から新しいアイデアを出しやすくする手法です。

①転用(Put to other uses)

他に使い道はないか?

対象をそのまま、もしくはあまり変更することなく、他に使い道がないか?という質問を投げかけます。

近年、公立小中学校の空き教室を保育所や高齢者施設等、別の公共施設へ転用する取り組みが進んでいます。
このような転用の発想により、利用されなくなった施設を一旦取り壊して再度建築するといった手間・コスト・時間をかけることなく既存の施設を継続して有効利用することができます。

②応用(Adapt)

他からアイデアが借りられないか?

対象に対して応用できるものはないか、参考になりそうなものはないか?という質問を投げかけます。

サイクロン掃除機で有名なダイソンは、開発者の近所にあった製材所の木くず集塵装置の仕組みから発想を得て開発されたというエピソードがあり、これなどはアイデアをうまく借りて応用した一例といえるでしょう。
ダイソン掃除機

このように、他の分野から類推し引用する考え方は奥が深く、アナロジー思考ともよばれる面白い思考法です。
※アナロジー思考については、別の記事にて詳しく紹介する予定です。

③変更(Modify)

変えてみたらどうか?

対象の要素のどこか(形状、動き、匂い、色 など)を変えてみることはできないか?という質問を投げかけます。

アオーレパンこの「アオーレパン」は、フライパンの先端の形状を三角形にすることで「あおり」をやり易くした商品です。(アーネスト株式会社HPより引用)

変更できるか?をチェックすることにより、対象商品の基本的な材質・機能は大きく変えず、要素を一部変更することにより、新しい機能性・価値を創出するヒントを得る事が可能です。

④拡大(Magnify)

大きく・長く・多くしてみてはどうか?

対象の要素を拡大することはできないか?拡大したらどのような価値がうまれるか?という質問を投げかけます。

俺のプリン

「俺のプリン」はこの方向からの着想から生まれたと思われる代表的な商品です。

通常は150g程度のプリンの容量を455gと約3倍に大きくし、商品名からイメージできるように成年男性をターゲットとした商品としてリリースし、現在では「俺のプリン&バニラパフェ」「俺のティラミス」「俺のどら焼き」といったスイーツだけでなく、「俺のつけ麺」「俺の豚玉」等、主食メニューまでシリーズ化するヒット企画となりました。

⑤縮小(Minify)

小さく・短く・少なくしてみてはどうか?

拡大とは逆に、対象の要素を縮小することはできないか?縮小したらどのような価値がうまれるか?という質問を投げかけます。

m-Stickシリーズ MS-NH1
この写真の製品をご存知でしょうか?
これは、2014年に発売された極小のパソコンで、一時は予約困難になるほどのヒット商品となりました。

約44gと非常に小さいサイズながら、OSにwindows8.1を搭載し、インテル® Atom™ プロセッサー Z3735F(1.33 GHz、4コア4スレッド)を採用する等、ある程度の処理速度も併せ持っています。

この商品が評価されたのは、そのサイズもさることながら、HDMI出力・ファンレスの静穏性・ワイヤレス機能が相まって、リビングルームのテレビにパソコンを接続して大画面で動画を見るというライフスタイルをイメージさせた事が大きいのではないでしょうか。
つまり、サイズを単に小さくしても、HDMI出力・静穏性・ワイヤレスの機能まで省かれていたなら、ヒットしなかった可能性があります。

このように、縮小の質問をする際は、どこまで、どのように縮小するかをしっかりイメージすることが大切です。

⑥代用(Substitute)

他のものでは代用できないか?

対象の要素のどこか(素材、場所、人、動力 など)を何かに代用できないか?という質問を投げかけます。

19世紀半ばに歴史上最も古い熱可塑性樹脂であるセルロイドが発明されるまで、ビリヤードのボールの素材は象牙が一般的でした。そのため、ビリヤードの設備は非常に高価であり、上流階級の人にしか楽しむことはできないものでした。そのような背景から、フォエン社が象牙の代用となるビリヤード球を作ったものに一万ドルの賞金を出すことを決めました。

hyatt

アメリカの印刷工ジョン・ハイアット(John Hyatt)が象牙の代用素材としてセルロイドによるビリヤードボールの作成方法を発明したことで低価格で球が作れるようになり、ビリヤードが庶民に普及することになったわけです。

⑦置換(Rearrange)

入れ替えてみたらどうか?

対象の要素のなにか(成分、部品、パターン、配置、時間 など)を入れ替えられないか?という質問を投げかけます。

シンプルな例としては、料理の素材を入れ替えるアイデアが挙げられます。
例えば、餃子の皮を油揚げに入れ替えることで、糖質を抑え、低糖質ダイエットメニューを簡単に作る事ができます。

⑧逆転(Reverse)

逆にしてみたらどうか?

上下、左右、時間、役割、順番 などを逆転したらどうなるか?という質問を投げかけます。

「反転授業(flip teaching)」という学習形態があります。
生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業です。(wikipediaより引用)

これまでの学校教育の常識とは異なる学習形態ですが、家庭での学習時間の増加や生徒の理解度の向上、応用的な知識の習得といったメリットがあるといわれています。

⑨結合(Combine)

組み合わせてみたらどうか?

目的、機能 などを組み合わせたらどうなるか?という質問を投げかけます。

book cafe
喫茶店として有名なスターバックス コーヒーには「Book & Cafe」という形態の店舗があります。
スターバックス コーヒーでドリンクを購入すると、併設された書店から小説を持ってきて試し読みしたり、最新の音楽を試聴することができるというものです。

書店で本をゆっくり選びたいという要望と本を読みながらコーヒーを楽しみたいという2つの目的を組み合わせ、喫茶店と書店を結合させることにより、消費者に新しい価値を提供している事例といえるでしょう。

いかがでしょうか。
様々な角度からキーとなる質問をすることで発想の幅が広がることがおわかりいただけたかと思います。
是非ご自身のビジネスにも応用してみてください。

コメントを残す