2017年あたりからVtuber(VirtualYoutuberの略)という表現手法で動画を配信する方が増えています。
Vtuberを一言で言うと、デジタルの着ぐるみです。
3Dもしくは2Dのアバターを演者がトラッキングでリアルタイムで動かすことで、これまでにない映像コミュニケーションを実現しています。
こういった仕組みは一昔前であれば数百~数千万円単位の予算がなければできなかったのですが、近年様々なトラッキング手法が実用化され、手元にノートPCがあれば無料~数千円でこういった表現が行なえるようになりました。
(本格的なトラッキングもHTCvive等のVR機器を使うことで、個人でも20万円程度で環境構築できるようになっています)
当初は数えるほどしか存在しなかったVtuberですが、2018年に入ってから急激にその数が増加し、2018年5月時点で3,000体以上と言われています。
このようなブームからVtuberでビジネスを行なおうとする企業も出てきており、今後注目される表現手法と言えるでしょう。
本稿では、このVruberが今後ビジネスに活用できるかどうか、考えてみたいと思います。
企業の広報として
まず考えられるのが、企業の広報・PRに利用する方法です。
こちらは、「株式会社シテイル」というソーシャルゲーム開発会社の動画なのですが、代表の方がキャラクターの中の人となって情報発信しています。
こういったキャラクターとしてのアバター(分身)を利用することで、生身の人間よりも表現がソフトになり、親しみが湧きやすくなる効果が期待できます。
実写の場合、ライティングや化粧など、気にしなければならない要素も多いのですが、こういった形式ですと演者の方は会話と動きに集中することができ、高品質な映像を低コストで作成できる手法としても期待できます。
また、実写の映像とキャラクターを組み合わせることで、会社や商品の案内にも使えるのではないでしょうか。
企業オリジナルのマスコットキャラクターをアバターとして制作する仕事もできそうですね。
コミュニケーションツールとして
私は以前英会話を勉強する際、海外の英会話講師とSkypeで通話するスタイルのサービスを利用した事があるのですが、初見の外国人とビデオ通話する、ということで結構緊張した記憶があります。
(映像なしで会話のみも選べるのですが、やはり会話している感覚が欲しかったので映像有りにしていました)
また、講師側としても、お客様とビデオ通話する場合は見た目に気を配る必要があります。
このような時、アバターを利用することで対話の抵抗感が少なくなり、講師の負担も軽減できます。
また、アバターを利用することで色々なキャラクターを演じることができるので、子供相手の英会話学習にも利用できるのではないでしょうか。
英会話をイメージしてお話しましたが、ビデオ会議など様々なシーンでコミュニケーションを取るのに利用できる可能性があります。
生きたサイネージ(標識)として
Vtuberの仕組みをうまく利用すると、コミュニケーションができる生きたサイネージに利用できるかも知れません。
イメージとしては、ディズニーの「タートルトーク」です。
CGのキャラクターがリアルタイムで観客と対話するエンターテイメントなのですが、亀のキャラクターの即興トークが人気です。
Vtuberも同様にリアルタイムに演者がキャラクターを動かす仕組みですので、カメラとマイクで周囲の状況が把握できれば、類似の事ができるでしょう。
一般的な案内はもちろんのこと、店頭での呼び込みなど、生身の人間では少々抵抗があるような事でもデジタル着ぐるみのキャラクターが行なえばエンターテイメントを兼ねた営業ツールになるかも知れません。
まとめ
いかがでしょうか。
技術の進歩により、リアルタイムでアバターを動かす新しい映像手法が非常に身近になりましたので、自社のビジネスに活かせないか考えてみるのも面白いのではないでしょうか。
弊社でも、折をみてオリジナルアバターを作成して動かすテストを行なってみたいと考えています!